DRUG TREATMENT DAYZ**
ぞうの なんしーが いいました
むりは しちゃ だめだよ
こざるの はなこが いいました、
はりもぐらに なりたいなぁ
【】( )
意識がある程度はっきり戻ったのは機材の多く並ぶ部屋の中のベッドの上。
いつから寝ていたのか、今は何時で事故からどれくらい経ったのか、
カーテンがひいてあるので昼なのか夜なのかさえわからなかった。
それより何より喉がカラカラだった。
最後にいつ水分を摂ったのか逆算できない。
意識が戻ったことを聞き付けたのか、
先生が来て簡単に病状説明をしていたが、
干からびた脳味噌が耳に蓋をしてしまったようで、何を聞いても上の空だった。
【】(剃毛プレイ)
しばらくして看護師さんが体毛を剃りに来た。これから手術らしい。
…あくまでもひとごとだ。
剃毛し、尿道にカテーテルを差し込む。
痛い。
【】(さすらいのぶっとび野郎)
目が覚めたのは手術室だった。
全麻をかけると言われ、酸素マスクのようなものを口につけると、
また意識が飛ぶ。
よく寝る奴だと我ながら思う。
【】(プラスチックのうどん)
醒めたのは手術も終盤、
残すところは鼻にチューブを差し込むだけとなっていた。
ただ、これが意外にも難儀だった。
鼻にプラスチックのうどんを無理やり突っ込まれる感覚を想像してもらいたい。
いや、プラスチックのうどんなんてものはこの世に存在しないし、
それをわざわざ鼻に突っ込む人間なんていやしないが。
痛い。
【】(ワタシの知らないアタシ)
辺りを見回す。
どうやらまたあの機械だらけの部屋のようだ。
変わったことといえば、
俺の鼻にホース、口に酸素マスク、
腹に(この時痛みは幾分か和らいでいた)違和感があるだけ、
それだけだった。
急に吐き気を催した。
まだ自由の利かない身体に信号を送って必死で起こし
緑色透明の、見た目青汁の苦い液体をぶちまける。
独特の味が口に広がる。
自分の身体はこんなものをつくっているのか、
それとも薬か何かの影響なのか。
どちらにしろ気分がさらに悪くなったのは言うまでもない。
息が荒い。
とりあえず看護師さんを呼んで詫び、
処理してもらっていると、俺はまた、深い眠りへと落ちていった。
【】(現状把握)
それからどれほど経ったのかは知らないが、一般病棟へと移った。
先生が来た。
先生は、極めて真面目な顔で、
そして端的に病状を述べてくれた。
まとめると、しばらく絶飲食の状態に入るから栄養は点滴から
摂るということ、喉が渇いたときはうがいだけ、
といったところだったろうか。
気付くと、俺の左鎖骨辺りの部分と、
やけにデカい点滴袋がチューブによってつながれていた
それから先生は俺の腹を診だした。
術後初めて自分の腹を見たのだが、
腹に埋め込まれた3つのチューブを見ると、
自分がサイボーグにでもなった気がして皮肉に笑った。
腹に響いて今度は悶える。