DRUG TREATMENT DAYZ****
おはようございます。
「正常だ!」と叫びつつ、
実は馬乗りされる方がスキ、ゆうすけです。
どうやら各方面の方々にご心配お掛けしておるようです。
世に言う「なんくるないさー」って状態です。
元気100倍パイ…いや、アンパンマンなので
皆さんどうぞ、引き続き白い目で見守ってやってください。
【12日後】
17歳の誕生日を病院のベッドで迎え、
責任のある行動がとれるようにと目標を掲げて数日後、
俺の改心をカミサマもわかってくれたのか、
腹に埋め込まれたチューブは撤去された。
禍々しい3つの穴は不気味としか表現できない。
ある朝起きると臍が腹のあちこちにできてしまっていた、
といったところであろうか?
【13日後】
先生が満面の笑みを浮かべながら「糸を切ろうか」と切り出した。
どこの「糸」なのか、よくわからなかった。
抜糸はこの前済んだはずだ、どこにそんなものあるんだと考えていると、
息子は中央にある臍のすぐ上に空いた穴の中を
特殊な器具でいじりはじめた。
痛いというよりか穴の中を引っ張られるような感覚がして、
ひたすら気持ち悪かった。
臓器を結んでいる糸を切るらしいが、
その在処がわからないのでいじくりまわしている、というわけだ。
先生はというと、
満面の笑みを浮かべて不気味な行為に興じている。
たっぷり時間をかけて、ようやく糸は見つかった。
先生はそれに満足したのか、後は看護師さんに任せてそさくさと行ってしまった。
看護師さんに「大丈夫やった?」と苦笑いで心配され、
虚勢を張ることもできず、
「しんどかったッス」と苦笑いを浮かべた。
【2週間後】
ようやく身体の自由が戻りつつあった。
未だに点滴2つとオプションの青汁保存パック、
鼻チューブはとれていなかったため、周りから見るとさほど変化はなかっただろうが。
しかし、そんな鼻のチューブもようやくとられる日がやってきた。
青汁を見ることもしばらくないだろう、
そんなことを考えていると、
ずるずると身体から緑色の体液を身に纏った透明なみみずが出て来て、
俺の鼻は釈放された。
両方の鼻の穴で息をすることが随分久し振りなような気がした。
爽やかな初秋の風を鼻孔に感じながら、着実に回復の兆しは見えていた。
【】(仙人の気持ち)
散歩するのにエレベーターのような野暮なものは使わない。
点滴台を気合いで持って、階段を気合いで上り下り。
こうでもしないと甘い自分は寝転がったままだろう。
退院してからきつい思いをするより、今できることをやっておこう、
そう思ったわけだ。
普通に歩く時とは使う筋肉が違うため、少しダルく感じてしまう。
MDからはお気に入りの歌がずっと流れている。
そうして今の病室より一階上にある物干し場へと辿り着く。
邪魔する者はいない、空は快晴。
今は遠のいてしまった街の喧騒を人ごとのように眺めながら、
しばらくぼーっとする。
ずっとこうしていたいのだが、お決まりのようにブザーが鳴る。
時間切れ、点滴を等間隔に落とす機械がそう告げている。
耳障りな電子音を止めて景色を楽しみたいところではあるが、仕方がない。
元来た道を引き返す。
帰る間、ブザーは鳴りっ放し、看護師さんからかわれる。
苦笑いでそれに答え、病室へと急ぐ。
プラグを差し込むと、急に大人しくなる。
俺もしばらく横になることにする。
そんなことが食事が満足にできるようになるまで、何回やっただろうか?