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2009年11月30日

人生は配られたカードで戦うしかない



「なあ、ミュエル・ウルマンって知ってるか?」

予定をすっぽかされ、ひとり飲み屋でチビチビ飲んでいると、

おそらくあちらもひとりだったらしい、おっさんが話し掛けてきた。



ヒマそうに見られるのか、

或いは寂しそうに見られるのか、

見ず知らずの人に話し掛けられることが多い。

実際に大体ヒマで、大体寂しいのだから、

話し掛けられることは嬉しい。

ただひとつ、残念なことがあるとすれば、

話し掛けてくれる「見ず知らずの人」が、

決して女性ではなく、おっさんなのだ。

まあしかし、甘美な時間を過ごせないとしても

勉強になる有意義な時間があることも確か。

今回はそんな話を聞けた。



サ…なんとか・ウルマン。

知り合いにそんな人はいない。

新種のウルトラマンか?

それにしても前々から気になっているのだが、

ウルトラマンコスモスの「スモス」ってどういう意味だ?

…いかんいかん、人が話をしているのに

ヘンな考えで逸らしてはいけない。

しかし特撮の話なら歓迎だ。

仮面ライダーディケイドまでは毎週欠かさず見ていた。

といっても自分の知っているウルトラマンはタローで切れている。

最近のウルトラマン事情はわからない。

素直に「知りません、どんなウルトラマンですか?」と聞いてみる。



「人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、

 過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず。」

おっさんは改まった口調で改まったことを言い出した。

ぽかんとしていると箸袋の裏に同じことを書いて渡した。



よくよく見てみれば、おっさんは若い。

細身のジャケットが似合うあたり、無駄な肉はないだろう。

皺が目立つ顔も、おっさんのこれまでを物語っている気もする。

おっさんの過去を掘り返すのもどうかと思ったし、

そんな言葉を聞いたあとで尋ねるのはただの愚か者だと思った。



それから詩人の話をした。

ウィリアム・イェイツのようなファンタジーがいいんだとか、

いやいや、マラルメさえ読まずに詩は語るなだとか、

実に有意義な時間が過ごせたと思う。

というのは冗談で実際はウルトラマンコスモスの

「スモス」はどういう意味なのか?

深夜まで熱く語り合った。



人生における青春時代を教えてくださり、

くだらないことまで付き合ってくれた、

名も知らないおっさんに感謝したい。



  


Posted by ゆうすけ119MHz at 10:55Comments(2)